社友のお便り

筆者近影 筆者近影

先日、丸紅の社友会で東京本社診療所、山澤所長の講演がありましたが、日本人男子の平均寿命７９.５５歳に対し健康寿命７０.４２歳、女子は平均寿命８６.３歳に対し健康寿命７３.６２歳とか。余り社会に貢献することなく余生を楽しんでいる私達夫婦は、せめて平均寿命と健康寿命の格差縮小に貢献できるよう、心身ともに健康維持に努めています。

年金生活に入ると、必然的に妻と一緒に過ごす時間が現役時代とは段違いに増加しますが、旅にテニスにコンサートやら映画やら、勝手に行ったり一緒に行ったりと楽しむ日々を過ごしています。

週に数回は早朝からのテニス、妻とは実力伯仲（私はそう思っているが、仲間は妻の方が数段上という）私は時々ゴルフ。妻は趣味多彩で、ピアノ・絵手紙・ニットソーイング・国際交流協会でのボランティア、私の単身赴任先で知り合った各地の奥様方との旅行・食べ飲み会と精力的に動き回っています。

平成１９年に「大過なく」丸紅を卒業し、最初に計画したのが妻と共に駐在したアルゼンチンへのノスタルジーツアーでした。駐在時代のアシスタントだった現地社員の方が早逝されていたため墓参を兼ね、妻にとっては現地でのスペイン語の家庭教師との再会も楽しみでした。勝手知ったる駐在地ということで、日本往復の航空券と現地到着後数日のホテルだけを予約して出発しました。駐在時代のアルゼンチン会社スタッフとの再会を楽しみ、私にとって２度目の駐在地だったブラジルのサンパウロも訪れたうえで帰国しました。

翌年は、アルゼンチン時代の同僚夫妻の提案でスペイン１ヶ月の旅を満喫しました。プジョーの大きなレンタカーで山の上の小さな町に乗り入れて、狭い路地に迷い込み左右数センチしか余裕のない中を３人が声を掛けながら擦り抜ける苦労や、バルセロナの市場でマグロの刺身を堪能し、海あり山あり酒ありゴルフありの旅でした。

その後は、この経験に味を占め１年に１度は妻と共に１か月の海外旅行を計画する事と決めました。先ずは忙しい妻の都合に合わせて、半年以上前に旅行先と出発・帰国日を決め、ネットで往復チケットを購入します。その後、徐にガイドブックを購入して訪問場所や交通手段などある程度のプランを固め、到着後数日のホテルだけを予約して出発。旅行先の優先順位は元気な内に遠隔地を旅すること、先進７か国には足を踏み入れることとして、翌年はフランスとイタリーで１か月。

続いての年はペルー１か月。妻がマチュピチュに行きたいと云うので、一旦、先進７か国から外れますが組み入れました。

マチュピチュ駅前広場にて、旅先で知り合ったアルゼンチン人ご夫妻と マチュピチュ駅前広場にて、旅先で知り合ったアルゼンチン人ご夫妻と

昨年はイギリス１か月の旅でロンドンから南のドーバー、西進してイギリスの西の端ランズエンド、ウエールズに立ち寄った後、美しいコツワルズから湖水地方経由でエジンバラに至り、西海岸を回ってロンドンに帰着。

たまたま訪問の時期に開催中だったウインブルドンテニスと全英オープンゴルフを見て、帰国前のロンドンで宿泊したホテルは、偶然にもキャサリン妃が出産した病院からワンブロックで、ウィリアム王子が赤ちゃんを抱いて病院の階段を下りる様子がテレビで放映されました。翌朝テレビ放映の病院出口に赴き写真を撮っていたところ、警備員が「遠慮しないで階段の上で撮りなさい」とアドヴァイス、イギリス人の一面を垣間見ました。

事件もありました、ケンジントン公園に程近い住宅街を妻と散歩中アラブ系と思われる若者が近づいてきて私たちに道を尋ねました。そこへ警官と称する２人組の男が現れ、若者に対して麻薬所持の疑いありとして身分証明書を求め、更に財布も見せろと、若者は素直に求めに応じて財布も渡すと何やら調べまわし結局不審物無しとして返却。

おもむろに私達にも念のため身分証を、続いて財布を見せろと云う。怪しいなと思いつつも、渡した後で警察手帳の提示を求めたところチラッと見せてさっと仕舞います。大柄で人の良さそうな白人の外見に惑わされて、私はボーッと彼らが財布の中身をチェックするのを見ていました。まさにその時、妻がその大柄な白人の手元をさっと払い財布を取り戻しました。２人は去って行きました。妻によれば抜き取るところを見た由。

後日ＪＣＢのロンドン事務所に立ち寄ったところ、偽警官２人と、さくらのアラブ系、３人組による窃盗に警戒を呼び掛けるポスターがありました。

同じテニスクラブの老人仲間からは、夫婦２人で１か月の海外旅行などとても信じられないとよく言われます。お互いに余り干渉せず、夫々が好むところを好きにやりながら、ほんの少しの譲歩で、合わせるところは合わせる自然体でやっているスタイルが良いのかなと思っています。